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おうら
2007年 12月 19日 |
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群馬県邑楽町の新しい町長が本日初登庁です。
12月2日に町長選を行い久保田文芳前町長を破り金子正一氏が初当選しました。

建築関係者は邑楽町と言えば、ピンと来ると思います。





簡単に説明すると...
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2002年に前々町長の時に新庁舎新築のコンペが行われ、
山本理顕設計工場案が当選しました。

山本理顕設計工場はこの新庁舎を、
「行政と町民のコミュニケーション・ツール」として考え、
地元住人の新庁舎に対する意見を積極的に受け入れるため、
建築工法から見直された画期的なものでした。
(↑の写真がモックアップです。)
実際に地元住人と何十回ものワークショップを行ったそうです。

で、2003年11月30日に町長選挙が行われ、久保田前町長が当選するとすぐに
着工直前まで進んでいた計画案を山本理顕設計工場に断りもなく凍結。

もちろん山本理顕設計工場側は納得いかずに邑楽町に対して訴訟を起こしました。

2006年2月に邑楽町が従前のお役所的手続きによって、
一方的かつ閉鎖的に設計者を選定。

現在、完成に向けて工事中。
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以上が、簡単な流れです。

建築家、建築設計事務所の社会的地位が諸外国に比べ圧倒的に低い
日本を象徴するような事件です。
建築家が、建築を通して真剣に地方自治を考えているのに、
肝心の町長、一部の議員、職員がないがしろにする...。
本当に残念な話です。

工事中の庁舎は地元住民の意見を反映させたところは全く見えない、
いたってフツーの建築。
(建築関係者なのでこういう表現です...。
「フツーの建築=民意を反映させていない」と言う訳ではないのですが...。)
もっと言えば、行政の行政に対する行政のための新庁舎だと疑います。

金子正一新町長は山本理顕設計工場案に理解を示しているようです。
しかし、今から工事のやり直しはあり得ないので、フツーの新庁舎が完成するでしょう。
完成して、新庁舎がどのような使われ方をするのでしょうか...?

参考までに...
山本理顕設計工場のページ
「邑楽町役場庁舎等設計者選定住民参加型設計提案競技」建築家集団訴訟のページ
邑楽町庁舎建設室のページ
by taishi_mizoguchi | 2007-12-19 13:25 | □建築
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