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きたかた
2007年 12月 10日 |
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少し前のニュースですが、こんな記事がありました。
細かいですが、以下コピペです。

『岐阜県営住宅を再設計へ、磯崎JVの設計は白紙に』
 岐阜県は11月30日、磯崎新アトリエJVが実施設計を手がけた県営北方住宅北ブロックA-1棟の再設計者を選ぶため、一般競争入札を公示した。同棟の工事入札が不調となったことを受けて、実施設計をやり直すことを決めた。
 磯崎JVは磯崎新アトリエと、岐阜県内の設計事務所である岬建築事務所、大建設計、金華建築事務所の計4社からなる。県公共建築住宅課によると、同JVがまとめたA-1棟の実施設計はプレキャスト・プレストレストコンクリート造、地上10階建て、延べ床面積7239m2で、約90戸ある住戸の間取りを約10種類のパターンに分けていた。間取りの設計は、磯崎JVの下請けの設計事務所がそれぞれの考えでまとめた。

 県は建築工事の一般競争入札を、2006年10月に予定価格約10億円で、07年6月には予定価格約13億円で、いずれも県内に本店を置く建設会社のJVを対象に実施した。予定価格を事前に公表していたが、2回とも参加者が全くなかった。

 県公共建築住宅課は、同棟の設計の特徴である特殊な構造と間取りが、建設会社を消極的にしていると判断した。05年に就任した古田肇県知事から、前知事の下で始まった県営北方住宅北ブロックのプロジェクトを見直すよう指示を受けていたこともあって、A-1棟の実施設計を最初からやり直すことにした。県公共建築住宅課によると、磯崎JVに対する実施設計料の支払いは済んでいる。

 「どこの建設会社でも施工しやすいように、構造は一般的な鉄筋コンクリート造、間取りは公営住宅の標準的な3パターンに絞り込む」と、県公共建築住宅課の担当者は再設計の発注方針を説明する。「今度は建築設計者に独自のアイデアを求めないので、コンペやプロポーザルでなく入札で選ぶ」(同担当者)。入札参加資格者は県内の設計事務所に限定する。

 再設計では建築工事費と家賃の低減を狙って、住戸の平均床面積を約70m2から約60m2に縮小し、ほぼ同じ戸数のままで階数を8階建てに減らすことも方針としている。竣工予定時期は、当初の2009年6月末から、2010年度内に延期する。

 県営北方住宅北ブロックには、A-1棟以外にも基本設計や実施設計のままで中断しているプロジェクトがある。県はこれらの再開を無期延期する。



ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
この記事になっている『岐阜県営住宅ハイタウン北方(きたかた)』は、
『南ブロック』が1998年に建築家の磯崎新が総合コーディネイトし、妹島和世、
高橋晶子、エリザベス・ディラー、クリスティン・ホーリィの4名の女性建築家が
それぞれの1棟ずつを設計しました。

公営住宅の割り出された戸数、予算、工期が目標となってnLDKと言う手法を適用しながら
建設され続けられた『男性原理』からの脱却を試みたそうです。
(↑違ったらコメント下さい...。)

プロジェクト段階からその外観、今までにない間取りなど、かなり注目されており、
僕は当時学生だったのですが、このプロジェクトの展覧会を見に行き、
1/50の巨大な全体模型に興奮していたことを思い出します。

『南ブロック』は無事に完成。
「住みにくい」との声もあるようですが、けっこうな空室率の低さだそうです。


...で、このニュースは隣の『北ブロック』です。
この『北ブロック』、簡単に言えば大きな柱梁のフレームを作り、21名の設計者
(有名建築家、地元建築家、外国の建築家、アーティスト、地元の職人など)が
10戸を単位として、そのユニットの外観、間取りを設計すると言うもの。

で、ニュースでは...

『どこの建設会社でも施工しやすいように、構造は一般的な鉄筋コンクリート造、間取りは公営住宅の標準的な3パターンに絞り込む』
...って!!!

確かに税金を使って建てるので、無駄使いはいけませんが、これじゃあ...(泣)。
言葉もありません...。

家族形態が多様になり、一般的なnLDKのような間取りでは住みにくくなってきているので
建築家の山本理顕さん達が『東雲キャナルコートCODAN』で実践したりしているのに...。


『今度は建築設計者に独自のアイデアを求めないので、コンペやプロポーザルでなく入札で選ぶ』
...って!!!!!

談合の温床にならないことを願います...。
by taishi_mizoguchi | 2007-12-10 11:17 | □建築
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